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1994 年度 実績報告書

学童疎開の比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05451053
研究機関日本大学

研究代表者

佐藤 秀夫  日本大学, 文理学部・教育学科, 教授 (20000060)

研究分担者 小野 雅章  日本大学, 文理学部・教育学科, 助手 (70224277)
キーワード学童疎開 / evacuation / 第二次世界大戦 / 児童観 / 戦争と子ども
研究概要

本研究は、第二次世界大戦中に史上始めて一国規模の政策として企画・施行された学童疎開(evacuation of school children;kinder-land-verschickung,order Evakuation)に関し、日本・連合王国(イギリス)・ドイツの3国におけるそれぞれの共通的側面と、それぞれの国の教育政策・児童保護政策の史的差異を反映した特徴的側面とを、可能な限り総合的に考察したものである。2年間という限定された期間に、それぞれ3国の学童疎開実態の究明と、その特色の把握に努めた。
共通的性格としては、学童疎開が戦争継続政策の有機的一環をなしていることの確認である。予想される敵空軍の攻撃からの都市在住児童の「保護」を内容としているが、それは人的資源の保存とともに児童被害による戦意沮喪の防止に最大の目的がおかれ決して「ヒユーマニズム」のみによるものではなかったことが明瞭となった。これは国家体制の如何と問わない、冷徹な戦争政策論理に基づいていた。
相異的側面は、各国の教育・児童観の異相によるもので、連合王国においては、LEAの企画を重んじ、児童の分散疎開を主とし、民間ヴオランティヤによる援助・指導を重視した。ドイツ・日本は中央政府の主導性が強く、ドイツではHJ(ヒトラー・ユーゲント)組織の指導が学校のそれを上廻ったが、日本では、学校を主体とする集団疎開と、全く家庭に委ねた縁故疎開とが併行した。学童疎開史研究に一つの基礎を作りえたと信ずる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐藤 秀夫: "学童疎開の記録1 学童疎開の研究" 大 空 社, 590 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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