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1994 年度 実績報告書

都市におけるメディア構造の研究-18世紀・大阪の場合-

研究課題

研究課題/領域番号 05451065
研究機関近畿大学

研究代表者

今田 洋三  近畿大学, 教養部, 教授 (80153708)

研究分担者 林 公子  近畿大学, 文芸学部, 講師 (50183091)
岸 文和  近畿大学, 教養部, 助教授 (30177810)
梶川 信行  近畿大学, 教養部, 助教授 (90169441)
高坂 史朗  近畿大学, 教養部, 助教授 (20170178)
浅野 洋  近畿大学, 教養部, 教授 (70132503)
キーワードメディア / 大坂 / 18世紀 / 出版 / 情報 / 媒体
研究概要

18世紀は、旧来のメディア構造が大幅に組み替えられ、新しいメディアが続々と創出される時代であった。本研究では、おもに、18世紀における日本経済の中心地であった大坂に焦点を当てて、さまざまな「発信者」と「受信者」の間を媒介するメディアの<多様性>と<多層性>を、そしてその歴史的な<変容>と<組み替え>の過程を考察することを試みた。具体的には、先行の出版都市であった京都の圧倒的な力量(仏書・儒書・史書・医書等の内典・外典、和文古典類約7000点)に対して、新興都市・大坂が生み出した「大坂(上方)的」なメディアの《新しさ》を、さまざまジャンル(文芸書・実用書・市民的学芸書・戯場書・絵本・一枚刷りなど)において検証することを行なった。
研究代表者・今田は、メディアの《新しさ》を、出版物の「指示世界」の《新しさ》、「著者」と「読者」の《新しさ》、そして、両者を統合する<仲介者>としての「本屋」の《新しさ》の点で分析することを試み、江戸の須原屋市兵衛と大坂の柏原屋清右衛門を比較することを通して、18世紀における出版事業の革新性を検討した。共同研究者・浅野は、石川五右衛門をめぐるさまざまな伝説を18世紀大坂におけるピカレスク・ロマン(悪漢小説)の生成という観点から検討し、また梶川は、大友皇子の伝承を18世紀の地誌類を手がかりにして考察した。同じく高坂は、ヨーロッパの天文学が本木良永や志筑忠雄といった人物によってどのように受容されたかを検討し、岸は、「名所案内記」や「名所図会」に収められたイメージの分析を通して、18世紀後期における挿絵の<メディア的性格>の変容について考察した。また林は、『戯場楽屋図会』の分析を通して、歌舞伎をめぐる情報とメディアについて検討を加えた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 高坂 史朗: "「脱亜入欧-近代という歴史の流れ(1)-」" 近畿大学教養部『研究紀要』. 26巻1号. 1-16 (1994)

  • [文献書誌] 浅野 洋: "「『大つごもり』の遠近法」" 『解釈と鑑賞』. (予定). (1995)

  • [文献書誌] 浅野 洋: "「鴎外と故郷」" 『近畿大学日本語日本文学』. 1巻1号(予定). (1995)

  • [文献書誌] 梶川 信行: "「『皇太子』存疑-額田王論のために-」" 『語文』. 89輯. (1994)

  • [文献書誌] 岸 文和: "「応挙と麒麟-尾張屋版眼鏡絵の制作年代について-」" 『ビブリア』. 101号. 24-45 (1994)

  • [文献書誌] 岸 文和: "「幕末・浪花のブックショップ-本屋安兵衛店頭図を読む-」" 『近代風土』. 44号. 14-31 (1994)

  • [文献書誌] 今田 洋三(共著): "『忠臣蔵』第4巻" 赤穂市編(予定), (1995)

  • [文献書誌] 岸 文和: "『江戸の遠近法-浮絵の視覚-』" 勁草書房, 287 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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