研究課題/領域番号 |
05451068
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉田 順一 早稲田大学, 文学部, 教授 (70063716)
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研究分担者 |
柳澤 明 早稲田大学, 文学部, 講師 (50220182)
石濱 裕美子 早稲田大学, 文学部, 講師
岡 洋樹 早稲田大学, 文学部, 講師 (00223991)
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キーワード | アルタン=ハーン / モンゴル / チベット / 仏教 / ダライ=ラマ |
研究概要 |
本年度は、前年度に引き続いて研究代表者・分担者による研究会を定期的に開き、"Erdeni tunumal neretu sudur orusiba" (アルタン=ハーン伝)のテキストの確定とローマナイズの作成を完了するとともに、さらに翻訳と付注作業を進めた。このうち、テキストの翻訳に関しては、前年度までに大部分完成した草稿を再検討し、難解語句の解釈を確定した。その際、テキストの中に頻出する仏教関係の語句については、チベット語の仏教述語からの直訳と見られることから、漢訳仏典を通じて日本でも一般に普及している対応語句が存在する場合はそれを使用し、そうでない場合は新たに適当な訳語を考案した。また仏教関係以外の難解語句については、『モンゴル秘史』をはじめとするモンゴル古典文献中に、共通するものが相当数見出せるので、それらの用例との比較検討の結果を可能な限り生かすようにした。付注作業は、これまでに収集したモンゴル語、チベット語、漢語その他の資料及び研究文献を十分に利用しつつ、主として(1)難解語句の解釈に関するもの;(2)テキストの叙述に現れる事件・人物の比定とその歴史的位置づけに関するもの;について、研究代表者・分担者がそれぞれの専門分野に応じて分担して行なうこととし、現在までに各人においてその草稿を作成した。上記の翻訳・付注作業に関して、不明の点は適宜モンゴル人研究者の助言を仰いだ。また、ローマナイズしたテキストと和訳文のパソコンへの入力を完了した。原写本の良好な写真若しくは複写の入手については、原写本を所蔵する内蒙古社会科学院等の機関との間でなお交渉を継続中である。
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