研究課題/領域番号 |
05451070
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
垂水 節子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60171906)
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研究分担者 |
野村 文男 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (70020427)
田村 一郎 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (30047906)
尾野 比左夫 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (40071534)
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研究概要 |
まず、個別テーマについては、各々以下のような研究成果をえた。 1〕尾野は「イギリス絶対主義成立期における北部支配の史的意義」(広島大学・西洋史学報22号、1995年3月)、「リチャード3世伝説を巡る一考察」(鳴教大紀要1995,3月)の論考を発表。2〕田村は「フリーメン-スリィ」研究の一環として、最重要関係文献の一つであるF.J.シュナイダーの翻訳に取り組んでいる。また、本年初め出版した『18世紀ドイツ思想と「秘儀結社」(上)』の続編執筆のため、現地での資料収集に当たった。3〕野村は「こどもの権利条約」というアクチュアルな問題を中心に、日本の教育制度の行政的・法制史的考察をすすめている。4〕垂水は「中部ドイツの鉱夫-1911年褐炭鉱ストライキ-」なる論文を完成し一学術誌に投稿した。さらに、次の事例研究「神話化されたストライキ-1903年クリミチャウ繊維労働者の蜂起-」に着手。 以上のような個別研究を折りに触れ報告・討議しあい、共通テーマに向けての認識と理論化を深めつつある。例えば、尾野のリチャード3世伝説の分析を通じて17世紀イギリスの政治文化を解明してゆく視点と方法は、垂水の研究に関連する。つまり、上記のごとく一つのストライキの「神話化」の解明のため、その言説を分析することが、20世紀初頭のドイツの政治文化ないしエリート文化と民衆文化の関係の究明となる。また、田村のフリーメーソン研究から、野村は当時のドイツの教養市民層の民衆観と教育観、およびそれらの日本との比較研究に多くを得ている。垂水も19世紀前半のヨーロッパの民衆結社がフリーメーソン・モデルである点を自己の研究テーマにどう組み入れるか、模索しつつある。
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