如意寺跡で遺構が確認できる本堂地区と深禅院地区について、地形測量に併行して一部、文化庁に届出て発掘調査を実施した。その結果、創建当初の10世紀前半の遺構、遺物を利用して、現在見られるような本堂、講堂、深禅院本堂を造営していることが明らかとなった。即ち現在の建物跡の基壇は岩盤の上に版築をして造作していることが確認できたのであった。又、地形測量によって造成前の地形が復原でき、「園城寺境内古図」に画かれた堂塔が何を表わしているのかが判明してきた。この点について、平成5年6月に「山岳寺院の諸問題」としてシンポジウムを開催し研究を深めた。
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