1.談話の構造およびスタイル分析を進めるにあたり、英語による談話資料の収集がまず必要とされる。本年度は分析の対象となる資料の入手をはかるため、英国のヴィデオを日本のVHSへ転換する機器を用いて口語による談話資料を集めることが可能であり、また購入した短波受信機により同様の資料を収集することができた。収集資料は新規購入のコンピューターによってデータベース化をはかり、口語資料の転写を一部開始した。 2.本年度はとくに談話のタイプに焦点を繰り、口語および文語英語におけるさまざまなタイプの談話を集めその特徴の検討の準備整えた。文語では学術書(科学系および人文系)、公文書、広告、新聞、指示の文書、小説等のタイプに分けて資料を整理し、その言語特徴の記述に着手した。また同時に最新の談話分析の理論を英国ノッティンガム大学のロナルド・カーターおよびマイケル・マカーシー教授の研究とも連〓をとり合って発展させ、より論理的な分析を行うべく検討を進めている。 3.従来の談話分析はその対象資料が必ずしも明確に定義されていないが、本研究では文語と口語については、その構造およびスタイル上の言語特徴が認められることを明らかにし、また口語についてはその下位区分である会話、スピーチ、放送、インタビュー、ラジオ、テレビの放送といった言語活動にそれ自体の特質が存在することを明らかにできると思われる。
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