研究分担者 |
山本 覚 三重大学, 人文学部, 助教授 (10251315)
松村 剛 東京大学, 教養学部, 助教授 (00229535)
石井 洋二郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (90134402)
保苅 瑞穂 東京大学, 教養学部, 教授 (70011294)
井村 順一 東京大学, 教養学部, 教授 (00012328)
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研究概要 |
平成5年度には,以下の視点からの,各分担者の分析的な研究に重点がおかれた。 1)まず,ルネサンス概念が歴史上,いかなる契機により誕生し,以後いかなる変遷を遂げ,それが歴史理解にどのような関係を持ってきたかを考察するための資料を広く収集した。 2)ついで中世末期からルネサンスにかけての教会活動がいかなる関心によって行われていたかを,おもに信徒への説教,講話を通して浮き彫りにするため,未公刊史料,辞書などを収集・分析した。 3)CD-ROMを使った研究として,文学を中心とした,フランス語の歴史的変化及び地理的な相違について,当時の言語を分析した。 4)他方,イタリアの文化のフランスへの移入に関しては,とくにイタリア戦役をめぐる同時代の言説・図像を収集し,当時の社会との関係を分析した。 5)また,フランス社会内部の変動については,文学と社会の関連に注目し,一次資料および歴史的研究を収集しながら分析を行った。 このように複数の視点に立って,広く史料を収集したことにより,中世・ルネサンス期における長期的総合的な分析の礎石は,十分固められたといえよう。とりわけ宗教と社会という二領域の相互関連を,よりひろく文学・芸術との関係を視野に収めて,総括的に分析していく作業の準備が行われた。
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