研究分担者 |
宮下 茂 学習院大学, 文学部, 教授 (30080419)
新保 雅浩 学習院大学, 文学部, 教授 (20081094)
下宮 忠雄 学習院大学, 文学部, 教授 (90101592)
轡田 収 学習院大学, 文学部, 教授 (90051325)
岩淵 達治 学習院大学, 文学部, 教授 (40080410)
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研究概要 |
本研究の本来の目的は1990年のドイツ統一以降のナショナリズムの兆しが,かつてのナショナリズムと同質のものであるかを具体的なテーマとして,ドイツナショナリズムの特性,ドイツの国民意識,ドイツ性を諸観点から多角的に考察することであった。本研究の5年度は言語史,思想史など各分野の考察を行い,6年度は各分野内の考察を継続しながら,これをさらに総合的に捉えるという作業を試みた。 1 標準ドイツ語成立過程における16-19世紀の文法学者,言語学者の役割の考察。統一の意識がいつどのようにして芽生えたか,その要因の考究。 2 統一ドイツ語の基盤となった「文学語」成立と文学者の文化意識の考察。 3 統一ドイツ語へ向けての19-20世紀初頭の正書法・発音統一事業と国家,国民の関わり,あるいは国民意識の考察。 4 ドイツのナショナリズムが高揚する文化,社会的条件についての通時的観点(統一ドイツ語の成立過程からドイツ語純化運動,帝政期の言語政策,ナチス時代の言語政策)からの考察。ナショナリズムの発生条件の通時的観点からの整理および統一後のナショナリズムとの共通点,相違点についてのドイツ語学,文学研究,言語教育の面からの考察。 5 旧東,旧西ドイツのそれぞれにおける言語表現とドイツ文化意識の関係についてのドイツ語学,文学作品の側面,語学教育および文学作品における文化意識の伝達の側面からの読み合わせ。 以上の考察の具体的な成果を得るにはさらに研究作業時間を必要とするが,中間報告的成果は別に報告書として公表する予定である。
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