研究課題/領域番号 |
05451087
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
木村 榮一 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (80073344)
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研究分担者 |
吉森 義紀 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (80105379)
小林 致広 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10145823)
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キーワード | インディオ / 他者性 / インディヘニスモ / 脱国民 / 国民社会 / 語る偶像 / ラディーノ / クリオーリョ |
研究概要 |
前年度に行なった資料の収集ならびに分析をふまえ、本年度は3名の研究分担者のテーマに従った個別研究を進めた。また、チアパスの先住民反乱に関する資料を継続的に収集するとともに、グアテマラならびに米国の先住民運動のリーダーからの聴取を行ない、現地の実情を知ることもできた。 木村は、メキシコのロサリオ・カステリャ-ノスの「チアパスもの」のうち『暗闇の儀式』は、カタリーナという女性呪術師の描写に代表されるように、インディオの個性の描出に成功していることを明らかにし、従来は「集団としてインデイオ」を描写する傾向が強かった中南米のインディヘニスモ文学の質を転換する画期的な作品となっていることを指摘した。小林は、先住民反乱における「外部勢力」の存在に対する対極的な評価に注目し、一般に流布している外部勢力による先住民操縦説とは逆に、先住民族の生き残り戦略として先住民が操る「語る偶像」のという戦術が開発れていることを指摘すると同時に、『暗闇の儀式』のなかにも非先住民である作者の思い込みが投影されていることを示唆した。吉森は、グアテマラの近代化の過程において語られてきた「民主主義」は、大多数の先住民族や民衆を除外したクリーオリョによる「国民国家」建設をもくろむ寡頭勢力の独占物であり続け、自国にアイデンティティを求めようとしない「脱国民化」した存在によって一方的に操作されてきた概念であることを明らかにした。 また、2年間にわたって収集した先住民運動関係の資料のうち、チアパスの先住民反乱に関する資料は、1995年中に資料集として刊行される予定である。
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