(1)本年度は計6回にわたって、東札幌病院に赴き収録調査を行った。但し、唯一の樺太アイヌ語の話し手である浅井タケさんは体調が悪く平成5年5月より東札幌病院に入院中している。 (2)そのため本格的な調査は不可能であったが、「樺太アイヌ語の最後」の状況を記録することが出来た。 (3)第2 インフォーマントだった島村トキさんは平成6年1月に亡くなった。 (4)アイヌ語辞書作成に向けて、コンピューターの購入、ソフトの開発を行った。 (5)貴重な話し手である浅井タケさんは現在重態であるから本格的な言語調査は出来なかったが、浅井さんにとって唯一のアイヌ語の話し相手である私とのアイヌ語での会話をハルさんはとても喜んでくれている。私は、今もう残り少なくなった、この貴重な伝承者の最後をしっかり見届けたいと思う。 (6)来年度(最終)には過去20年間に私が収集した樺太アイヌ語資料のすべての整理とまとめに取りかかる予定である。
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