平成5年度は研究目標に即して、主に自主研究として自責で行なってきた(91年より)ドイツでの下請・外注関係の整理を行ない、日本との比較研究を行なった。 更に、日本における「下請・系列取引」の実態を「長期継続的取引」関係に重点を置き、既存の諸仮説を批判するという視点で事例的に明らかにした。(その場合、機械系工業を対象とした文献-資料に基づいた作業も導入した。) 国内企業の下請・系列取引」の実態及びその変容については、ある程度経験調査を行なっているが、それを再度・本研究の目的に即して再構成し、必要な事例を追加調査して、更に確認をした。主な(研究)調査の対象は、家電・自動車、工作機械の最終完成品メーカーとその「下請・系列」中小企業部で、各階層に跨がる重点的な経験調査を実施した。又、調査対象に関連する人々の専門的知識の提供を求めるための個人的ヒアリングを行ない、実態調査・文献研究との融合をはかった。 更に、既存の調査や私自身のこれまでの調査を再整理あるいは統計等の構成をするためにコンピューターを使って、統計的処理を行なった。 平成5年度の研究は、本研究の目的に述べた仮説により、文献・資料分析、実態調査を通じて、日本の下請・系列取引関係の実態を把握しつつ、その変容過程と変容の論理を明らかにするという成果が得られた。
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