研究対象とするフレキシブル生産システムについて、加工・組立に関するデータを収集した。このフレキシブル生産システムは、NC旋盤、ターニングセンタ、立型マシニングセンタ、横型マシニングセンタの各NC工作機械、AGV(無人搬送車)、自動倉庫、産業用ロボットで構成されていて、コンピュータがシステム全体を統括している。はじめに、この生産システムに関するコンピュータ・シミュレーション・モデルを構築し、種々の解析を行った。そして、ワークステーションを用いて、このシミュレーション・モデルから得られる解析結果を詳細に検討し、インテリジェント・システムの枠組を構築した。そして、生産システムを評価するための評価尺度(機械や産業用ロボット、無人搬送車などの稼動率、仕掛在庫量、生産数量など)とインテリジェント・シミュレーション・システムの関係を理論的に体系化するための検討を行った。また、フレキシブル生産システムの経済性に関する評価を実施するために、製造原価を計算するための原価計算システムを新たに構築し、実際のコスト・データを用いて数値計算を行った。そして、生産システムの能率と経済性を共に考慮したアプローチを提唱することができた。現在は、加工・組立型フレキシブル生産システムの設計・改善に際して、これまでに開発したインテリジェント・シミュレーション・システムによる意思決定支援のためのシステム解析手順を作成に取り組んでいる。
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