研究課題/領域番号 |
05451124
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 宏典 東京大学, 農学部, 教授 (00183666)
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研究分担者 |
斉藤 潔 東京大学, 農学部, 助手 (80202076)
秋山 邦裕 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (20167852)
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キーワード | 水田経営 / 大区画圃場 / 農地管理 / 農地利用調整 / 土地改良 |
研究概要 |
本年度は農地整備運用管理システムの成立条件について検討した。 1)前提条件 農地整備運用管理システムが機能するためには、このシステムが次のような事業を一体的に推進できる権利と義務を具備していることがその条件となる。(1)計画的土地利用の推進母体になれること、(2)土地基盤整備事業の事業主体になれること、(3)集落環境整備事業の事業主体になれること、(4)農地利用権の面的な一括集積ができること(但し、農地所有権の集積は不要)、(5)営農の主体になれること、もしくは営農の主体を育成できること、((6)加工・販売・交流の事業主体になれること、もしくはそのような事業主体を育成できること) 2)上記事業を一体的に運営できる組織と管理体制 上記事業を一体的に運営できるためには、個別的あるいは零細な農地所有を前提としつつも、圃場の大区画化を含む土地基盤の整備と土地利用権の面的な集積、高い生産性を有する経営の育成等、ハードな事業とソフトな事業とを一体的に運用できる組織と管理体制が必要である。現行法制の下では、農地の整備とその運用管理を行うシステムの中心的組織としては農協が最も適しており、農協の主体的な取り組みによる農地整備とその運用管理、あるいは農協出資による法人経営の設立など、地域一農場方式をめざした取り組みが期待される。しかし、農協の持つ営農指導の力量や各種事業への力点のおきかたによっては十分に取り組み難い面もあり、また農協の管内が広い場合や広域合併農協の場合には、地域における農地所有者の合意形成や自律的な地域組織の運営に困難をともなうことも多い。このため、地域レベル組織に関する法制度の改正によって、農地所有者を中心とする自律的な地域組織の設立と農地利用権の面的集積等を含むその運営管理を行い易くするための新しい方策が必要ではないかと考えられる。
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