研究課題/領域番号 |
05451125
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
丸田 定子 東京農工大学, 農学部, 教授 (90015074)
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研究分担者 |
吉田 俊幸 農政調査委員会, 国内調査部長
鈴木 幹俊 東京農工大学, 農学部, 助手 (90014969)
淵野 雄二郎 東京農工大学, 農学部, 助手 (60015104)
倉内 宗一 東京農工大学, 農学部, 教授 (70143633)
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キーワード | 公益法人 / 農業公社 / 耕作放棄 / 農業生産法人 / 公共財 / 農地保有合理化法人 / 認定農業者 / 特定農業生産法人 |
研究概要 |
農業生産に関する公的事業体という課題に取り組んだのは、私的経営である農家や私的経営法人によっては管理が困難になった耕作放棄地が拡大傾向にあるために他ならない。 この問題に関連して、近年、農協の農地管理への取り組みが増加している。農協は私的経営者を組合員としているので、私的経営の組織体であって、公的事業体というわけではない。しかし、農地の保全管理に関連しては、公的事業体に準ずる役割を果たしている。そこで、本研究としては地方自治体による農業公社と共に農協による取り組みも合わせて取り上げることにして、現地調査、資料収集につとめた。農協による取り組みとしては、農協役員等の出資による有限会社(農業生産法人)が、耕作者のいなくなった農地を借りて管理している例が多い。現在、資料を分析中であるが、問題点は次の点である。第一に、公的農業経営が耕作できない土地であるから、公的事業体がやっても赤字になることが多い。自治体や農協が負担し、様々な方法で支援することによって公的事業体は成立している。それでも困難な土地は放棄される。このような負担を、誰がどのような形で負担するのか論理的な整理をする必要がある。耕境内では公的事業体の農地管理が経過的性質をもつとは限らない場合、負担をより広域に求める必要もある。第二に、耕境内では公的事業体の農地管理が経過的性質をもつ点である。日本の農地所有は、零細所有を前提としているので、分散性克服の課題はついてまわる。団地化できれば耕境内に入りうる土地も、分散農地では放棄される。経過的な農地管理が必要となる。ただし、農地については、経営が成立する条件ができれば、借地者は現れることが多いので公的事業体が私的農業経営展開の阻害要因とならない方式が必要である。 本年度の研究から以上の点を明らかにし得た。
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