本研究は農村地域を環境維持システムとして再評価し、現代の環境計画のための基礎的技術として位置付け、人間活動と環境保全のバランスを示す一つのモデルを提示することを目的としたものである。 1、前年度で実施する予定であった次の4点について分析を行なった。(1)自然立地単位から見た農業生産環境の評価 (2)自然立地単位から見た集落立地・生活環境の評価 (3)炭酸ガス収支からみた集落立地の評価 (4)自然立地及び炭酸ガス収支による集落の類型化。 2、市街地及び市街地周辺に島状に残存する緑地(市街地においては圃場を含む)を対象として、次の3点について調査・分析(20年間の経年変化)を行なった。(1)残存緑地の分布・形態・面積等の特徴に関する分析 (2)残存緑地の立地特性(道路・鉄道・地形・住宅地・施設用地等との関連)に関する分析 (3)残存緑地の構造化。 3、集落住民に対するライフスタイルの評価について、ヒアリング調査およびアンケート調査を実施し、次の3点について視点から分析した。(1)経済地帯区分等の地域特性との関係 (2)年齢(世代別)・ライフステージとの関係 (3)環境評価とライフスタイルとの関係 (4)ライフスタイルのパターン化。 4、環境の維持管理と集落住民との関わりを考察する事例として、ゴルフ場周辺の集落集落の環境問題を取り上げ、ゴルフ場開発の直前・直後・現在の3時点について、ヒアリング調査およびアンケート調査を実施し、次の2つの視点から分析した。(1)ゴルフ場周辺の土地利用の変化 (2)ゴルフ場周辺集落の生活環境の変化 5、以上の総括として、地球環境と地域環境の概念整理・農村部における地域環境問題に関する問題点の整理と計画的フレームについて考察した。
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