研究課題/領域番号 |
05451133
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
永田 晟 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (30087069)
|
研究分担者 |
宮崎 正己 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (90097262)
太田 富貴雄 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20092041)
加藤 清忠 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (50063681)
|
キーワード | 筋収縮力 / 運動単位 / 運動処方 / 筋機能 / 高齢者 / 筋撹傷モデル / 筋放電スペクトル |
研究概要 |
高齢者の筋を随意収縮した場合と外部から前頸骨筋を電気刺激して誘発筋電図を記録した場合は、異なった運動単位の動員様相とスペクトル波形が求められる。即ち中枢神経系の機能(随意収縮)と末梢系の筋組織機能(反射性収縮)に対応して異なった筋収縮力や筋収縮振幅レベルの発揮がみられる。さらに神経機能の差によって異なった筋放電頻度(周波数)パターンがみられる。高齢者は低レベルの随意収縮を示し、若年者とは異なった運動単位の動員パターンを示した。しかし反射機能の変容は顕著ではなく、刺激された運動神経に従属している筋線肬の変容も顕著ではなかった。 随意収縮は40%、60%、80%MVCの3段階、電気刺激は40%、60%、80%のSupramax振幅の3段階による6種類の筋収縮をおこない、両者の筋放電スペクトルを比較した。高齢者は前者の場合、極度に低下し、筋収縮力は約3倍、放電スペクトルのMPFは約1/2に低下し、加齢と筋萎縮の影響がみられた。こうした低下は筋の組織タイプ構成比の変化と運動神経支配比の差によるところが大きく、さらに運動単位へ動態差に依存するところが大と考えられた。 高齢ネズミに注射針による筋撹傷モデルを作成し、筋の部分的変体経過をたどる細胞死および部分的アポトーシスの機構を実験した。高齢ネズミほど多角細胞としての筋組織の再生は遅延し、新たなる膜形成の再生過程の可能性は少なかった。撹傷12日後(若年ネズミは8日後)にはミオチューブが新たに形成され、その膜をトリガーとして撹傷部位の分化再生が可能となった。これは筋肥大の一つの分化形成に類似した筋発達様相と考えられた。
|