研究課題/領域番号 |
05451140
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
藤岡 完治 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90030048)
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研究分担者 |
浅田 匡 神戸大学, 発達科学部, 講師 (00184143)
大島 聡 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (80176867)
影山 清四郎 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (60089563)
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キーワード | 授業分析 / 教師の知識 / 授業シミュレーション / 授業リフレクション |
研究概要 |
教師のもつ知識を分析的に取り出すためのシステムの開発では、授業のビデオ映像を1次情報として、それを認知する教師の特性を分析するシステムを構築した。そのシステムを利用して、小学校の1時間の授業を複数の分析者が分析したところ、同一の授業に対してセグメントの分割や命名・評価にかなりの違いがみられた。教師の授業に対する認知の違いを反映することが示された。しかし、映像の大きさや画質に問題があり判断が下しにくいということがあるので、システムを改良し、教師の認知構造自体を解明することが次年度の課題である。 授業場面における教師の知識の活用の研究では、年間3回の授業をVTR録画し、アルチメディア型授業シミュレーションによる予備研究を行なった。対象教師は神戸市内小・中学校教師各1名である。その結果、授業状況の把握に関しては、教授内容に関わる知識が機能していることが示唆された。ビデオ視聴をともなう教師の自己内省では、授業計画が教師の判断過程での大きな枠組みとして機能していることがわかった。 以上の結果からマルチメディア型シミュレーションは、教師の知識の活用を促す教示等の焦点づけの方法の工夫が必要であることがわかった。また典型的な授業状況を抽出し、その状況における知識の活用をさぐる、「状況指向型」とでも呼ぶべきアプローチの必要性が示唆された。 授業実施過程における教師の思考過程を明らかにするため「授業リフレクション」を5人の小学校教師を対象に行ない、その内容を分析したところ、11のカテゴリーが抽出された。経験のある教師は「子どもの考えや感情の「認知」、「状況に応じた変更」、「受け入れ」などのカテゴリーが経験の浅い教師に比して優位であることがわかった。
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