研究分担者 |
中西 宏文 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90211424)
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30109368)
清水 秀美 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60025111)
北岡 武 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60024022)
平田 賢一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20024060)
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研究概要 |
入門的情報教育の受講によって,生徒・学生のコンピュータへの態度や一般的知識が,どのように変化するかを,定量的に測定することが,本研究の目的である。測定道具は,平成3年度にわれわれが開発したコンピュータリテラシー・テストを使用する。このテストは,コンピュータに関する情意的側面を測定するために,コンピュータ態度,コンピュータ不安を測定し,コンピュータに関する知識として,コンピュータに関する教養的知識と,商業高校1年生の情報教育用教科書程度の技術的知識を測定する。 短期大学,4年制大学各2校を対象に,半年の情報教育の前後にテストを実施して,その変化を分析することが原則である。その結果,次のことが明らかになった。 1.情報教育を全く実施していない女子短期大学1年生のコンピュータリテラシーの変化を1986年以来追跡してみると,パソコンの操作やプログラミングの経験率は,ほとんど変化がない。しかし,ワープロが操作ができる学生は,1986年には27%であったのが,1993年には61%になるなど,大きく増加している。ファミコンの所有率も同様の傾向があった。このことは,一般的な高校生や大学生の情報化は,ワープロとファミコン使用が中心であることを示している。 2.情報教育の前後の変化を分析すると,教養的知識と技術的知識については,確実に増加している。この間の知識の増加は,情報教育を受講していない対照群学生にも見られるが,情報教育受講学生の知識の増加は,それよりはるかに大きい。しかし,コンピュータ態度とコンピュータ不安という情意的特性はほとんど変化がなく,また対照群の変化と差が認められなかった。ここから,半年程度の情報教育は,情意的な側面にほとんど影響しないが,知識獲得については,強い影響を与えることが分かった。
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