研究概要 |
北海道北部紋別・稚内・礼文・利尻,中央部大雪・日高,東部釧路,松前,上ノ国周辺の地形映像を収集した.礼文の稀少植物について保存対策を立てるために,生育条件を中心にデータをとり,特別保護の指定の根拠とし,指定に至った.釧路湿原の周辺丘陵の森林植生について調査をすすめ植生図と樹木生育量について,保水蓄積の状況と湿原の水質汚濁との関係を調べた.紋別興部・下川の植物化石の採集では,中新世-鮮新世に森林植生の解析に役立ち,新生代後期から洪積世・現世に至る日本周辺に森林分布について貴重な資料をえた.これは今後,森林保護対策のために重要なデータとして活用できる.礼文利尻の気象観測データが得られたので,北海道北部の寒冷気候と北方系植物の生育環境についての特殊条件を解析するデータとして有効である.収集した映像のうち,TVテープの映像はビデオプリンターによってテキスト用図版にする.また,OHPフイルムとしてプリントして,研修講座や教養講座で使用して,学習効果を調べる教材の作製をする.樹木・野鳥・昆况・海虫・地質地形・植生などの望遠は光学機材の活用によって調査能率を高め,詳細な観察を可能にした.豪雪の発生機構についてと,雪の形成と降雪や雪の結晶,酸性雨に付いての教材の収集が進み,この分野については新しい環境教育教材となる.
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