研究概要 |
半線形楕円型方程式は、境界値問題も解の存在,非存在という見地では、かなり研究がすすんでいる。ここではプラズマの平衡状態で対称性を考慮したものを記述する。……全電流を一定にしたとき、どれくらいの圧力までプラズマをいれられるかという、物理的に興味ある問題を考えた。これは、数学的には、方程式の形をきめずに解も特定せず、解に〓にのあるアブリオリ評価を得るという問題になる。プラズマの専門家である吉田氏との議論により、圧力の上昇が得られることがZ-ピンチモデルについていえ、より現実的なドーナツ状の容器中の問題についても拡張することができた。 一方、放物型方程式の発展方程式の問題もてがけた。これは曲線の発展方程式を含むものである。曲線の発展方程式は、材料科学で有用であるか表面エネルギーが平坦な部分をもつ問題は、微分方程式としては退化していて扱いにくい。ここでは、粘性解の理論をもちいてグラフの場合の大域解とその性質を調べた。以上が代表者の研究である。 研究分担者の扱った領域は双曲型及びシュレディンガー型の非線型偏微分方程式である。双曲型方程式の典型的な例である波動方程式に対しては伝播錐での解の漸近展開を与え解の時空での振舞と初期運動量の分布との関係を見出した。非線型シュレディンガー方程式に対しては主に散乱問題を扱った。その中での主な研究として遠距離型の摂動に対するドラード型の修正波動作用素の構成を取上げた。その結果弱い相互作用の下ではドラード型の位相函数を的確に構成することにより修正漸近自由場の理想的な定義に至った。
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