研究分担者 |
長田 博文 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20177207)
坪井 俊 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40114566)
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
小谷 真一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10025463)
小松 彦三郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011473)
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研究概要 |
Weyl群の作用で不変な可換微分作用素系の研究を行い,当初の目標であったB型およびD型Weyl群の場合について,基本的解決を得た。既に分かっていたA型の場合も含めると,Weyl群が古典型の場合は,ラプラシアンのポテンシャル函数や,その積分が,楕円函数を用いて具体的に表わせることを示した。これにより,古典型Weyl群の場合の完全積分可能不変量子系の分類がほぼ完成した。これは,徒来から数理物理で知られていた完全積分可能量子系の多くを含み,それらを統一した観点で扱えるようになった。 楕円函数が退化すると三角函数になり,さらに退化すると有理函数になる。この有理函数の場合は,まだ分類で残っている部分があり,今後の課題となった。また,三角函数の場合は,表現論に表われる球函数の満たす微分作用素系の一般化となっており,種々の立場から深い研究がなされてきた。これらとの関連も次第に明らかになってきており,方程式の特殊解を求めるのに重要な,可換微分方程式系の既約性や分解について,いくつかの例を得,また,一般的な予想を得ることができた。
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