研究課題/領域番号 |
05452010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 利雄 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50011721)
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研究分担者 |
川又 雄二郎 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (90126037)
坪井 俊 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40114566)
楠岡 成雄 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (00114463)
片岡 清臣 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (60107688)
小松 彦三郎 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40011473)
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キーワード | 完全積分可能系 / 球函数 / ユニタリ表現 / 超幾何微分方程式 |
研究概要 |
完全積分可能量子系は、対称空間上の帯球函数の動径成分の満たす微分方程式系から作られるものが例として知られており、一方、数理物理においては、古典力学系の完全積分可能系と合わせて、その研究が続いてきた。そこに含まれるHamiltonianあるいはLaplacianのpotentialが、楕円函数で表わせWeyl群不変な形で2点間で決まる例につき、その完全積分可能性が予想されていた。今まで知られている完全積分可能系は、ほとんどすべてこれに帰着できることが知られていた。 研究代表者を中心とする今回の研究により、Weyl群が単純古典型の場合に、高次積分を具体的に求め、完全積分可能性の予想を解決した。さらに、Weyl群不変な完全積分可能系は、このような楕円函数で表わせる2点間ポテンシャルに限ることを示し、新たな完全積分可能系を発見し、それも含めて完全な分類に成功した。また、高次積分の一意性も決定された。さらに、最も自由度の高い2変数の場合、微分方程式系の可約性を超幾何微分方程式の立場から調べ、条件を決定した。 一方、半単純リー群G上の不変微分作用素系の同時微分方程式系の境界値写像の解析により、Gの閉部分群Hの表現からGに誘導した表現の中に、Gの既約表現が、常に有限重複度で含まれるためのHの必要十分条件を決定した。これは、コンパクト群、あるいは有限次元表現のときのspherical subgroupの概念の無限次元の場合への拡張である。さらに、G上の一般球函数を調べ、その次元を決定した。
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