研究概要 |
本研究の目的はシュミット望遠鏡の広い視野を利用して、銀河系外縁部の恒星探査を行う事である。探査観測に用いる星を検討した結果、赤色巨星が選択された。その理由としては、(1)、赤色巨星は明るい星でありかつ星間吸収の弱い長波長域に輻射のピークがくるので遠方まで検出可能であり、更に(2)、観測に用いるCCD受光素子の感度が長波長側で高い点があげられる。 赤色巨星を発見するため、広帯域V,Iフィルターと中帯域[79],[81]フィルターの計4フィルターで、撮像観測を行い、[V-I]と[79-81]の二つのカラーから、恒星の分類と星間吸収の補正を行う事にした。測光システムのキャリブレーションのため、平成5年の8,9,10月に分光測光標準星と、近傍赤色巨星の観測を行った。その結果、上記手法が赤色巨星検出に有効である事が確認された。引続き、平成5年11,12月と平成6年1月に銀河系反中心方向の探査観測を行った。天候が不安定であったが、反中心方向の2領域において、30分角四方の画像データを得る事ができた。現在解析を行っているが、反中心方向に存在する赤色巨星の検出と、その分布を調べる予定である。
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