研究課題/領域番号 |
05452018
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田原 譲 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10135296)
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研究分担者 |
国枝 秀世 名古屋大学, 理学部, 助教授 (00126856)
山下 広順 名古屋大学, 理学部, 教授 (80022622)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | X線望遠鏡 / X線光学 / 超精密加工 / コーティング / 表面粗さ |
研究概要 |
本研究では2年間にわたりアルミの超薄肉切削鏡面基板を用いた高開口効率のX線望遠鏡の開発を行った。この研究における課題には、鏡面基板の製作法、平滑鏡面の製作法、X線鏡面金属の蒸着法などの鏡面製作法と性能評価、鏡面支持・微調機構の製作とこれを用いた支持方式の検討、X線による測定装置の整備とこれを用いた性能評価、さらに大型化、高解像度化への指針を明らかにすること、などがあった。これらの課題に対してまず基板の製作においては、ワークの支持/分離のために水溶性接着剤を用いて厚さ0.3mmのサンプルの試作を行い、2段でHPD1.7分角相当の制度を持っていることを明らかにできた。また表面粗さは最初にWYKOを用いて評価し切削痕における5nmの粗さがアクリル・コーティングで1nm以下にできることがわかった。しかしX線による評価で表面粗さはまだ不十分なレベルであり、さらに基板加工に改良の必要のあることがわかった。フォイル・ミラーの形状評価を高い精度で行える評価装置として、非接触でかつ0.1μmの精度で被測定物までの距離が測れるセンサーを精密移動台と組み合わせたものを製作した。つぎにアラインメントの精度の向上による結像性能の改良のため「ハウジング中のフォイル形状の評価とアラインメント法の改良検討」のための形状評価専用ハウジングの製作を行った。超薄肉切削鏡面基板の表面粗さについては、今年度新たにアクリルコーティング以外の方法を検討し、アルミ面に付けたニッケル面の研磨法でその有効性が確認された。フラットな鏡面サンプルについては、X線測定からX線鏡面として十分な表面粗さであることが確認された。 さらにこの素材については、ウォルター・タイプ型の本格的鏡面形状を持つ2段X線望遠鏡について、その結像特性をX線で評価し少なくとも五秒角以内の結像性能を示すことを明らかにすることができた。又非接触一次元形状状評価装置をさらに発展させた、円筒内外面に特化した、超高精度三次元計測器を用いて、新たに超薄肉鏡面基板製作用マンドレル及び基板熱成型用金型の形状評価を行い、マンドレルについてはさらに改良が必要なこと、金型については十分な精度の出ていることを明らかにした。
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