研究課題/領域番号 |
05452019
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
舞原 俊憲 京都大学, 理学部, 助教授 (90025445)
|
研究分担者 |
鶴 剛 京都大学, 理学部, 助手 (10243007)
長田 哲也 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80208016)
|
キーワード | 銀河形成 / 銀河 / 宇宙初期 / クェーサー / スターバースト / 赤外線分光 |
研究概要 |
地球の上層大気で強い放射をしているOH夜光を除去することのできる高感度の観測装置(OH-S)を用いて、高赤方偏移(high-z)の銀河やクェーサーの赤外線分光観測を実施した。これは、宇宙の比較的初期における銀河やクェーサーの形成と初期進化の過程についての観測的研究を行なうことが目的である。実際本年度の観測においては、赤方偏移の値が2〜4の領域にある幾つかの天体のJバンドおよびHバンドの赤外線スペクトルの情報が得られた。それに基づいて比較的初期の若い宇宙における銀河の物理状態のケーススタディを進めることができた。 具体的には、超高光度赤外線銀河の1つであるF10214+4724の精度の他界スペクトル、赤外線サーベイで発見された非常に赤い高赤方変移銀河Hawaii167、および特に大きなライマンα吸収を示す特殊なクェーサーQ0201+113などの輝線や連続スペクトルを得た。それらの天体は、通常の赤外線分光器ではOH夜光バックグランドのため観測ができない暗い高赤方偏移銀河・クェーサーであり、我々の開発したOHSで初めて精度の高い赤外線分光観測が可能になったものである。第1番目の天体については、すでに論文としてまとめて天文学会欧文報告(PASJ)に投稿した。他の2つの天体も、高赤方偏移における特徴的なスペクトルをもつことを示しており、活発な星形成活動につづく銀河の初期進化過程の情報が得られている。
|