研究課題/領域番号 |
05452037
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八木 克道 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016072)
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研究分担者 |
箕田 弘喜 東京工業大学, 理学部, 助手 (20240757)
谷城 康眞 東京工業大学, 理学部, 助手 (40143648)
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キーワード | 表面再構成 / 吸着構造 / 表面歪 / Si(111) / Si(111)5x2-Au / 表面内部応力 |
研究概要 |
本年度は、試料作製のためのチャンバーとイオンポンプを主購入備品として購入し、試料作製を容易するような工夫を行った。それらは十分に機能し、本年度に次に述べるような成果を得た。 1)Si(001)2x1の歪について理論から求められる値を用いて、ステップ近傍での格子歪を計算し、得られたTEM像と定量的比較を行った。その結果、20-30nm領域の歪の広がりを観察した。 2)Si(111)-7x7と1x1相境界の方位が、7x7構造のサブユニットのFulted halfが接する方位であることをTEM法で決定した。また相境界には大きな歪があることを観察したが、歪のセンスを決めることは出来なかった。薄膜が十分薄いと、歪自身によって膜が大きく歪んでしまい、返って歪の検出には不向きであることが分かった。 3)Si(111)4x1-Inの吸着構造の分域は大変小さい(50nm程度)。従って、詳しい解析は困難であったが、内部歪は余りないと判定された。 4)一方、Si(111)5x2-Au表面は内部応力が働いていることが分かった。応力の主軸の方向は2倍方向([110]方向)とそれに垂直な[112]方向であると推定された。方位分域壁には歪による白または黒のコントラストが現れた。残念ながら、歪のセンスを決定することは出来なかった。 一方来年度作製予定の応力印加試料ホルダーの設計を完了し、来年度にすぐ設計製作出来るよう準備を行った。
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