研究課題/領域番号 |
05452054
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
馬宮 孝好 名古屋大学, 理学部, 教授 (20022600)
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研究分担者 |
三浦 裕一 名古屋大学, 理学部, 助手 (30175608)
岩橋 克聡 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (40022602)
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キーワード | 超低温 / 固体ヘリウム3 / 核断熱消磁 / マイクロK / 非金属セル |
研究概要 |
hcp相固体^3Heの核磁気オーダーに到達すべく、直接核断熱消磁装置を製作した。1段目予冷段にCu147モル、有効63モルのCuバンドルを設置した。まず、1段目核ステージのみの断熱消磁を行い、その冷却性能のテストを行った。2回の比較的短時間のテストにもかかわらず、最低温度68μK、全ヒートリーク3nWの好成績を得たので、新しく設置した1段目ステージは今後の研究に予冷段として十分稼働することが判明した。次に試料セルを非金属のスタイキャストで製作した。試料セルは固体^3Heを入れるため200bar程度の高圧に耐えなければならないので従来は金属で製作していたが、今回、NMR測定を行うために非金属材料を使用した。これらの非金属セルは常温で所期の耐圧性がなくても、ヘリウム温度では材料の張力が増加するために良好な耐圧性能を持つことが判明した。また非金属セルは交流帯磁率測定に対しても1次コイルの交流磁場の位相が変化せず、良い結果をもたらした。このセルを第2段として断熱消磁を行った。^3Heセルは3Tの磁場中で予冷を行うのに5日程度を要して300〜600μKまで冷却した。この温度を2段目の初期温度として固体^3Heの断熱消磁を行ったが、現在までの所、核磁気オーダーに達した微候は得られていない。この原因として次のようなことを考えている。 (1)固体^3Heセルまわりの金属の渦電流発熱 (2)外部建築工事のための振動による温度上昇 (3)本来、核磁気秩序のシグナルは極めて微小なために検知が困難である。これらの原因に対する対策を旋しつつ研究を続行している。
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