研究課題/領域番号 |
05452056
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝夫 京都大学, 理学部, 助手 (00025363)
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研究分担者 |
瀬口 泰弘 近畿大学, 理工学部, 講師 (70171345)
泉 邦英 京都大学, 理学部, 助手 (50025376)
山田 耕作 京都大学, 理学部, 教授 (90013515)
大見 哲巨 京都大学, 理学部, 助教授 (70025435)
水崎 隆雄 京都大学, 理学部, 助教授 (20025448)
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キーワード | Superonductivity / Tc-Enhancement / Thin film / Localization |
研究概要 |
1.装置開発。 3He冷凍機,3He-4He希釈冷凍機は蒸着装置と分離した状態で動作している。液体ヘリウムは一日の保持条件を満足している。現在、0.4K以上の温度で使用し、希釈冷凍機は調整中である。さらに、蒸着装置との接合を進めている。(鈴木、水崎) 2.Au/Ge系薄膜超伝導。 Au/Ge系超薄膜超伝導体における磁場による超伝導状態の増強は(3)の理論的研究で述べる様に古典的な電子の軌道運動では説明できない。そのため、量子論的な電子の局在との関係を明らかにする方向で研究を進めた。電子の局在は電子濃度と散乱時間の制御で行った。Au/Ge系では同じ膜厚のもとでAu濃度を減らし、電子濃度の薄い条件で磁場増強超伝導が出現し、同じ電子濃度のもとでは膜厚を薄くすると散乱時間が短くなり電子局在が増強られて磁場増強超伝導が出現することが明らかになった。瀬口はこの方向でAnderson-Mott転移との関係を明らかにするため、ミネソタ大学との共同研究を計画している。(瀬口、鈴木) 理論的研究 鏡面反射の条件ではKoganによる磁場増強超伝導の理論が正しくないことがHaraらによって指摘されている。大見らは散漫散乱の境界条件のもとで準古典的な電子軌道運動の取り扱いのもとでHaraらと同様に超伝導の磁場による増強は起こり得ないことを示した。さらに、磁気的な応答は反磁性であることも明らかになった。現在、Anderson-Mott転移近傍で常磁性的磁気応答のもとで磁場による増強された超伝導の可能性を探索している。(大見、山田)
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