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1993 年度 実績報告書

分子性結晶の圧力誘起相転移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05452057
研究機関大阪大学

研究代表者

天谷 喜一  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80029503)

研究分担者 遠藤 将一  大阪大学, 極限物質研究センター, 教授 (10001843)
石塚 守  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30184542)
小林 達生  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80205468)
キーワード分子性結晶 / 圧力誘起超伝導 / 極低温超高圧
研究概要

本研究の目的は、ヨウ素を始めとするハロゲン固体について、圧力誘起超伝導の特質を明らかにすることである。本年度は固体ヨウ素について以下の成果を得た。
1.全高圧相における超伝導転移の探索
固体ヨウ素の高圧I〜IV相について超伝導性探索の実験を遂行した。第I相は分子相であり第II相で分子解離状態へ転移する。解離の前駆症状として分子性金属状態が出現するがこの金属状態は30mKの極低温まで超伝導へ転移しない事が確認された。第II,第III相は単原子金属状態であり、超伝導転移点T_Cは1.2Kより圧力増大と共に減少を続けることが見出された。(dT_C/dp<0)。しかし第IV相では我々が観測に成功した75GPaまで圧力と共に増大(dT_C/dp>0)するという興味ある結果が得られた。同時に測定されたT_Cの外部磁場依存性は温度軸を直線的に切る傾向をみせている。T_Cの圧力依存性は、キャリヤ濃度と対比して調べる為に、ホール効果の測定を行なった。金属化の傾向とキャリヤ濃度は対応する圧力変化を示し、分子性金属状態ではキャリヤ不足のため超伝導転移がみられないと結論した。一方高圧第IV相ではキャリヤー濃度の減少がみられこの事と転移点の上昇との関係が2キャリヤモデルから解明されるとの見通しを得て解析を進めている。
2.超高圧下物性測定技術の開発
超高圧発生用小型非磁性セルを開発、75万気圧の発生に成功した。振動コイル法による交流磁化測定においても、SQUID磁束計を用いた検出に成功している。超高圧発生ダイアモンド面上リソグラフィ加工による電気抵抗測定においては試作回路を使っての高圧(20GPa)下Pbの超伝導転移の観測に成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 清水克哉他: "超高圧力下電気的測定へのリソグラフィ技術の応用" 大阪大学極限物質研究センター報告書. NO.4. 113-116 (1994)

  • [文献書誌] 天谷喜一、清水克哉: "極低温と超高圧" 生産と技術. 46. 52-57 (1994)

  • [文献書誌] 天谷喜一: "極低温,超高圧下の物性測定" 学術月報. 46. 780 (1994)

  • [文献書誌] K.Shimizu et.al: "The Pressure-Induced Superconductivity of Iodine" Proc.Molecular and Organic Superconductivity. (1994)

  • [文献書誌] K.Shimizu et.al: "Observation of Superconductivity of Iodine" Proc.20th Int'l Conf.Low.Temp.Phys.(1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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