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1993 年度 実績報告書

スピン偏極電子源全反射角X線分光による磁性研究

研究課題

研究課題/領域番号 05452060
研究機関学習院大学

研究代表者

溝口 正  学習院大学, 理学部, 教授 (30080443)

研究分担者 川越 毅  学習院大学, 理学部, 助手 (00195067)
キーワードスピン偏極電子
研究概要

初年度としては先ずスピン偏極電子発生源の作製に全力をそそいだ。スピン偏極電子線の発生に関してはGaAsに適当な波長の円偏光を照射し、スピンに依存した遷移確率の差を利用して伝導帯の電子を偏極させる方法が発明されている。このとき、GaAs清浄表面にCsとO_2を交互に蒸着させてNEA(負の電子親和力)状態として偏極電子を外部にとりだすことが必要である。したがってこのフォトカソードは極めて表面状態に敏感なので、発生源は超高真空に保たなければならない。本年度、最も苦労を重ねたのはこの超高真空装置の作製である。
排気系としてはアネルバ製の125l/sのエクセルポンプと、前段に三菱重工製の150l/sターボ分子ポンプを購入した。これにチタンポンプを自作し、装置全体を組み上げベーキングを繰り返して、最終的に0.7x10^<-7>Pa(5x10^<-10>Torr)までもっていくことができた。
GaAsはH_2O_2,H_2O(10:1:1)1230秒浸し化学的にエッチして表面に酸化保護膜をつける。よく水洗いして超高真空槽内にセットする。これを580℃に加熱して酸化膜をとばし清浄表面をだす。適当な加熱温度を求めるために別にオージェ分析装置内で加熱しながら観測し、この温度で酸素、カーボンのピークが消失することを確認した。
GaAsを60℃まで冷却後、光電子値をモニターしながらCsと02を交互に吸着させ、光電子値が変化しなくなった所で中止する。通常3-5回で最大光電子値を得る。我々のレコードは最大60muAである。しかし、光電流は時間と共に減少し、24時間後には0.5muAまで落ちてしまう。
この光電子を加速するための3段静電レンズを自作して組込んだ。今後この調整を行ない当初の目的に向かって進む予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Kawagoe and T.Mizoguchi: "Spectroscopic Ellipsometry of Thin Copper Films on Glass Substrate" Jpn.J.Appl.Phys. 32. 2005-2009 (1993)

  • [文献書誌] T.Kawagoe and T.Mizoguchi: "Optical Properties and Growth Process of Ni/Cu Bilayer studied by In-situ Ellipsometry" J.Magn.Mag.Mat.126. 538-540 (1993)

  • [文献書誌] T.Mizoguchi ,S.Tanabe,and M.Murata: "Atomic Diffusion and Structure Relaxation in Compositionally Modulated Amorphous 3d Transion Metal-Zr alloy Films" J.Magn.Mag.Mat.126. 96-98 (1993)

  • [文献書誌] T.Mizoguchi: "Marcel Dekker,INc." Rapidly Solidified Alloys(chap 16.Intrinsic Magnetic Properties of Amorphous Alloys). 54 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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