渦輪と衝撃波の相互作用の問題に関し、計算機シミュレーションを行うとともに、実験装置の製作とテストを行った。 ・昨年、一昨年度に設備した無隔膜衝撃波管、ワークステーション、凹面鏡、スキャナーを使用して、実験とデータ処理を行なった。衝撃波管の性能は設計通りで、衝撃波と渦輪が相互作用する様子がシャド-グラフに鮮明にとらえられた。コンピューター、スキャナーによる画像処理によって、衝撃波、渦輪、散乱波の時間発展をx-t図に示すことに成功した。 ・計算機シミュレーションでは、これまでに得られた成果、すなわち相互作用によって高温、高圧、高密度の領域が局所的に発生する性質を応用する研究を行った。燃焼化学反応を起こす性質のある気体中で、渦輪と衝撃波を発生させるシミュレーションの結果、相互作用がなければ反応を起こさない場合でも、相互作用で高圧・高温領域が生ずると、自然に着火する反応がコンピュータ上で観察された。この種の問題では初めての成果であり、今後の応用が考えられる。 ・本研究の成果は、衝撃波シンポジウム、京大数理解析研究所で講演発表を行った。これまでの研究成果をもとに、今年度(1995年9月)国際ワークショップを開催した。国内外約50名の参加を得て、成功に終了した。さらに当該分野での今後の国際的発展が期待できる。
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