研究課題/領域番号 |
05452075
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
西田 良平 鳥取大学, 教養部, 教授 (90027269)
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研究分担者 |
梅田 康弘 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10025421)
塩崎 一郎 鳥取大学, 教養部, 助教授 (80221290)
宮腰 潤一郎 鳥取大学, 教養部, 教授 (60032116)
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キーワード | 地震活動の空白域 / PxP波 / 地下の溶融体 / 地殻応力 / 島根県東部 |
研究概要 |
山陰地方は、第四紀の火山(大山・三瓶山)があり、地震活動帯も走行が一致し、活動域と空白域が交互に形成されている。主な活動域としては鳥取県東中部、鳥取-島根県境付近、三瓶山・広島県北部付近があり、また空白域として島根県東部地域がある。この空白域は、大山火山と鳥取-島根県境付近の地震活動域と、三瓶山火山と三瓶山周辺・広島県北部の地震活動域に挟まれた地域である。空白域周辺の地震活動は1977年(M=5.3)、1978年(M=6.1)に三瓶山周辺で発生し、小地域ながら被害を出し、温泉の増水、泉温の上昇など異変を発生させた。この活動は最近も継続されている。東縁の活動は鳥取県中部の地震(1983年、M=6.2)が発生し、始まった。1985年には大山付近の地震(M=4.9)が大山山頂から数km東に発生したが、震源の深さが約10kmと深く火山活動との直接的な関係は見い出せなかった。1989年〜1991年に鳥取県西部の群発地震活動(M=5.4が最大)、1991年島根県東部の地震(M=5.9)が発生している。地震活動は東から西へと空白域に向かって移動した。大きな地震の発震機構から求めた地殻応力は東西方向の圧縮力であるが、1991年の島根県東部の地震は東西から約20度時計廻りに回転している。主に東西方向の地殻応力が空白域周辺の地震活動を形成しているが時間変化のあることが判った。自然地震の地震波の解析から、P波の次にくる波をPxP波と考えると、反射面が約15kmの深さにあり、空白域の地下に溶融体があると推定される。地球内部の比抵抗構造は三瓶山を南北に縦断する測線に沿って観測され、三瓶山周辺の地殻上部の低比抵抗層の存在が確認された。1900年代前半は但馬地震、北丹後地震、鳥取地震と内陸地震活動が活発化した後,南海トラフ沿いの巨大地震(1945年東南海地震、1946年南海地震)が発生した。1970年代からは島根県東部空白域周辺での地震活動が活発化している。今後もこの地域の監視を継続する必要がある。
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