研究課題/領域番号 |
05452080
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹松 正樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (50038535)
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研究分担者 |
馬谷 慎一郎 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (30112353)
アレクサンダー G.オフ 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70243962)
尹 宗煥 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (80111459)
今脇 史郎 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (40025474)
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キーワード | Mooring / Seasonal current / Inertia current / Winter convection / Laboratory experiment / Plume / Eddy / Numerical model |
研究概要 |
1.北部の冷却沈降域(ウラジオストック沖)を含めて、日本海盆の3地点に設置した係留腺を回収し、約1年に及び測流データを入手した。この新しいデータセットにより、これまで想像の世界であった日本海中・深層における流動特性の一端を明らかにした。即ち、極めて均質な1000m位深では、季節的変動流は顕著であるが、恒常的な循環流は認められなかった。冷却沈降域では、渦冷却が始まる11月下旬から特に強い(10cm/s以下)季節的流れが生じるが、春には減衰に向い、夏・秋季には流れも慣性波動も無い、全くの静止状態が続くことが分かった。この特異な季節変動流の水平スケール、駆動のメカニズム等を調べるため、現在、衛生熱赤外データ及び高度計データの解析を進めるとともに、ウラジオストック沖の沈降域において精密CTD観測航海を実施中である。なお、同沈降域には3本の係留腺が集中的に設置されており、現在計測中である。 2.ターンテーブル上の回転流体の自由表面を氷の薄板で冷却することにより、深層水の形成過程を実験的に調べた。冷却開始と共に、氷の直下にランダムな沈降プルームが生じ、3-4回転日のうちに、それ等のプルームは合体し、組織化されて、複数個の円形渦が出現することを見出した。それ等の渦は安定で、渦-渦、あるいは渦-壁相互作用により運動施、冷却域を離脱することを示した。なお、複数個の渦への分裂は、冷却直後、氷板の直下に生ずる弱い低気圧性の旋回流の傾圧不安定によるものと思われる。 なお、これ等の新しい実験結果と現実の沈降過程とを関連づけるには、新しい係留データの回収と冬季観測結果を待たねばならない。 3.日本海数値モデルのキ-ポイントともいうべき、東韓暖流の剥離挙動を忠実に表現し得る新しい数値モデルを開発した。
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