研究課題/領域番号 |
05452083
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
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研究分担者 |
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 講師 (30183982)
福西 浩 東北大学, 理学部, 教授 (90099937)
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30115886)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (20210560)
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キーワード | MUレーダー / 電極圏イレギュラリティ / 大気光全天撮像 / 可搬型VHFレーダー / 大気重力波 / スポラディックE層 / 協同観測 |
研究概要 |
我々は1989年よりMUレーダを用いた電離圏E領域FAI(Field-Aligned Irregularity)の高レンジ・時間分解能観測を開始し、磁気赤道域及び極域のみならず中緯度域においても従来想像されていたよりもはるかに活発・多彩な現象が存在することを明らかにしてきた。我々が初めて明らかにした現象として、主に夏季の夜間、100km以上の高度に現われてエコー強度が周期5〜10分程度で変動する、いわゆる「準周期的エコー」がある。この現象の解釈として、申請者らはWoodman博士やTsunoda氏らと共同で、中性大気中の短周期の大気重力波による多重スポラディックE層の変形によるとするモデルを提唱している。 本研究では、1993年5月〜7月に行われたMUレーダー・可搬型VHFレーダー・多波長全天撮像装置・イオノゾンデという、それぞれVHF電波・光・HF電波と様々な周波数(波長)で運用される装置の同時観測によって、電離圏E領域高度における中性大気波動とFAI現象の関連を明らかにしてきた。本年度は、光・電波による同時観測結果の解析に基づいて、以下の研究を進めた。 1.協同観測期間中に本センターが取得したMUレーダー及び可搬型VHFレーダー観測データと、多波長全天撮像装置観測で取得したデータの交換を行って、電離圏E領域の不規則構造の水平構造に関するデータ解析を進めた。 2.平成6年6月に仙台において開催された国際STPシンポジウムにおいてこれまでの研究結果の発表を行うとともに、各研究分担者が解析した結果の比較検討を行った。 MUレーダー観測と多波長全天撮像観測はそれぞれ信楽MU観測所と蔵王観測所等において独自に継続された。MUレーダー観測からは、FAIと背景電離圏との対応関係について、電界強度やスポラディックE層との関連が統計的に議論された。また全天撮像観測については、多くの観測例から、重力波の水平伝搬方向が必ずしもFAIの準周期エコーのそれと一致しないことを見出した。
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