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1994 年度 実績報告書

高温変成岩の部分溶融に関する新しい指標の確立の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05452085
研究機関千葉大学

研究代表者

津久井 雅志  千葉大学, 理学部, 助教授 (50192191)

研究分担者 古川 登  千葉大学, 理学部, 助手 (40251194)
廣井 美邦  千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
キーワード部分溶融 / 高温変成岩 / 泥質岩 / ザクロ石 / 斜長石 / 大陸地殻 / 含水鉱物 / 脱水融解反応
研究概要

岩石の部分融解の手掛かりになると考えられる鉱物組織を求めた結果,ザクロ石中の斜長石砲有物が最適であることが判明した.その理由は,1)ザクロ石も斜長石もともに広い温度・圧力条件下で安定であり,出現する岩石の組成範囲も広い,2)ザクロ石も斜長石もともに固溶体鉱物であり,形成条件に対応した化学組成をもつ,3)ザクロ石は大変硬く,変形作用によって破砕される可能性が低いので,その内部構造が保存されやすい,4)ザクロ石も斜長石も元素の結晶内拡散が著しく遅く,成長累帯構造が保存されやすい,等である.そこで天然の高温変成岩(スリランカ産グラニュライト,南極産片麻岩類,本邦の阿武隈変成帯竹貫片麻岩など)中のザクロ石を観察した結果,次のような共通した現象が見られ,それらの岩石がかつて部分融解していたことを強く示唆することが判明した.1)ザクロ石中には,マトリックスのものよりもカルシックで自形の斜長石が包有されている,2)そのような包有物をもつ部分のザクロ石にはカリ長石やリン鉱物が包有されることはほとんどない,3)またその部分のザクロ石のリンの含有量はそれ以外の部分に比べて著しく低い(それぞれ,0.05WT%程度と0.01WT%以下),ということである.これらの事実から,例えば,次のような連続脱水非調和融解反応が想定される.
珪線石+黒雲母+ソディックな斜長石+石英+リン鉱物±H2O=メルト+ザクロ石+カルシックな斜長石+ルチルこの反応にリン鉱物が関与していることから,希土類元素の挙動について新しい問題と視点が提起される.事実,例えば,ともに重希土類元素としてよく似た挙動をすると言われてきたエルビウムとイッテルビウムが,ザクロ石中でまったく異なった累帯様式を示し,異なる挙動をしたことが世界で初めて明かにされた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshikuni Hiroi: "Evidence for prograde metamorphic evolution of Sri Lankan pelitic granulites, and implications for the development of continental crust" Precambrian Research. 66. 245-263 (1994)

  • [文献書誌] E.S.Grew: "Iron-rich kornnerupine in sheared pegamtite from the Wanni Complex, at Hamogama, Sri Lanka" European Journal of Mineralogy. 7(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Yoshikuni Hiroi: "Occurrence of calcic and idiomorphic plagioclase inclusions in garret in pelitic gneisses of the Lutzow-Holm Complex, East Antarctica: A new textural indicator of partial melting" Proc.NIPR Symp.Antarc.Geosci.8(印刷中). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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