研究課題/領域番号 |
05452096
|
研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
中井 靖男 大同工業大学, 工学部, 教授 (40022719)
|
研究分担者 |
金崎 順一 名古屋大学, 理学部, 助手 (80204535)
伊藤 憲昭 大阪工業大学, 工学部, 教授 (90022996)
|
キーワード | 半導体表面 / 表面欠陥 / 原子放出 / レーザー・固体表面相互作用 |
研究概要 |
本研究は半導体表面に存在する微量の欠陥をエピタキシ-成長のような半導体材料および素子の製作条件下で定量的に評価する実用的な手段を開発するための基礎研究である。この目的のため、我々は既に明らかにしてきた表面欠陥を媒介としたレーザー誘起原子放出の現象を利用した。このため平成5年度にはGaP(100)表面に吸着させたGa付加原子型欠陥の原子放出を測定し、レーザー照射による表面欠陥からの原子放出の放出確率と検出感度を明らかにするとともに、吸着形態と原子放出との相関に関する知見を得た。平成7年度には、さらに具体的な欠陥構造と原子放出との相関を明らかにする目的で平成6年に導入したSTMを用い、レーザー照射前後の表面構造の変化と原子放出の相関を明らかにする詳細な実験を行なった。この実験にはSi(111)7x7を試料として用いた。この理由はSi(111)7x7表面構造には元々アドアトム(付加原子)が存在するため、最も単純なタイプの表面欠陥のレーザー照射による脱離の特性がSTMおよび原子放出の両面から容易に検討出来ることによる。この実験結果から以下のような表面アドアトムのレーザー照射による選択的原子放出の事実を確認した。 1)レーザー照射による放出Si原子収量はレーザー・パルス数に依存せず一定値を示し、原子放出サイトが表面一面に存在することを示す。 2)Si原子放出の収量の照射レーザー光子エネルギー依存性は共鳴吸収的な依存性を示し、特定の励起準位が原子放出に関与していることを示す。 3)レーザー照射前後のSTM像の比較から得られた表面アドアトムの脱離収量は照射強度に対し指数関数的依存性を示す。 4)アドアトムはコーナー、およびセンターの二種類の位置により脱離収量の照射レーザー強度依存性が異なる。前者および後者のれ-ざ-照射強度に対するべき指数は3および2となり、後者が前者に比べ結合が弱く放出され易い。
|