研究課題/領域番号 |
05452118
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 尚夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60189636)
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研究分担者 |
井上 真澄 名古屋大学, 工学部, 助手 (00203258)
藤巻 朗 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20183931)
高井 吉明 名古屋大学, 工学部, 教授 (50109287)
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キーワード | ジョセフソン素子 / SIS接合 / 超格子 / 同時スイッチ |
研究概要 |
本研究は、超伝導体/絶縁体/超伝導体(SIS)構造を有したジョセフソン素子を基本単位とした超格子を組み上げることによって、その複合素子の超伝導ギャップの大きさを変調させるとともに、さらにそのギャップを外部信号によって制御する方法について検討することを目的とした。以下に、本研究の実施経過および得られた結果を列記する。 1.SIS接合特性の解析・評価・・・・・基本単位となるSIS接合の特性を完全に理解することが超格子構造を作製する上でもっとも基本かつ重要となる。本研究では電極となるNbの超伝導性を支配する要因、トンネル障壁のアルミニウムの最適膜厚および酸化機構などを明らかにし、ほぼ思想的なジョセフソン接合の作製に成功した。 2.SISIS接合の作製・・・・・超格子構造のもっとも小さい規模のSISIS接合を試作し、その特性を評価した。その結果、厚みがコヒーレンス長以下になっても中間のS層は超伝導性を示すことが見いだされた。またS層の厚みが10nm程度以下になると、ある条件下で超格子を構成する2つの接合があたかも1つの接合のように振る舞うことが分かった。この原因は中間層の薄膜化および積層化によるジョセフソン侵入長の変調の結果と解釈される。 3.SIS超格子の試作・・・・・SIS接合を3個以上積層化した超格子を試作し、その特性を評価した。その結果、SISISの時と同様に接合のうち幾つかは超伝導状態から電圧状態へ同時にスイッチする現象が見られた。現在、同時スイッチの起こる条件の詳細な検討を行っている。
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