研究課題/領域番号 |
05452138
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作・生産工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
森脇 俊道 神戸大学, 工学部, 教授 (00031104)
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研究分担者 |
横山 和宏 新潟大学, 工学部, 助教授 (00018673)
社本 英二 神戸大学, 工学部, 助教授 (20216146)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 振動切削加工法 / 切削機構 / 延性モード切削 / 脆性材料 / 工具寿命 / 臨界切込み量 / ダイヤモンド工具 |
研究概要 |
振動切削機構を検討するために、まず電子顕微鏡内部で基礎的な切削実験を行い、次に実用性を考慮して超音波領域の振動切削実験を行うことにより、主に以下の成果を得た。 (1)電子顕微鏡内での切削実験による振動切削機構の検討 従来の研究報告においては、振動切削加工の持つ諸効果が実験的に示されているが、その実験結果には矛盾が多く、またそれらの諸効果が得られる原因についてはほとんど明らかにされていない。そこでここでは、電子顕微鏡内部で振動切削加工を行い、その切削過程の直接観察を通じて、最も基本的であると考えられる切りくず厚さの減少効果が工具振動方向によって大きく影響されることを明らかにした。すなわち、この方向が切削方向となす角度がゼロ度以下の場合には切りくず厚さが半分近くまで減少するが、ゼロ以上の場合には通常切削による厚さと大きな違いは見られない。また、その原因は、一旦仕上げた面を再度極小さな切込みで切削し、二重に切りくずを生成するためであることを見いだした。 (2)平面施削における臨界切取り厚さの検討と仕上げ面、工具摩耗量の評価 現有の超精密切削加工機を用いて、代表的な硬脆材料であるガラスの平面加工を行い、超音波振動切削および通常切削による延性/脆性の臨界となる送り量、切込み量について検討した。その結果、通常切削において数十ナノメートルであった臨界切込み量が、超音波振動を工具に付加することによって約百倍の数ミクロンにまで増加することを見いだした。次に、この結果に基づいて、実際に円板状ガラスの端面施削を試み、仕上げ面あらさ約20nmRmaxの完全に透明な面を得ることに成功した。また、この際に排出された切りくずが流れ型のものであること、工具逃げ面摩耗幅が数ミクロン程度であることを確認した。
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