本研究は、軟X線、極紫外放射の結像系に使用される、放物面、楕円面、トロイド面等非軸対称非球面の形状を、レーザ干渉計を使用し、平面や球面と同等の精度で計測可能にすることを目的としたものである。 平成6年度は、斜入射光学系とレーザ干渉計を組み合わせ、収差を含む干渉縞パターンを解析して試料の形状誤差を求める非軸対称非球面の形状計測法に関し実験的検証を行った。ここでは非軸対称非球面としてトロイド面および円筒面を試料とし、既存のレーザ干渉計測システム(ZYGO MARKII)と平成5年度に導入した干渉計解析システム(ZYMOD/PC)により干渉縞パターンの解析を行って試料の表面形状誤差を求めた。 トロイド面は楕円面の近似面としての取り扱いが可能であり、干渉計により得られた表面形状から楕円面とトロイド面の形状差を差し引くことによりトロイド面の形状誤差が求められた。また、円筒面は放物筒面の近似面としての取り扱いが可能であり、干渉計により得られた表面形状から放物筒面と円筒面の形状差を差し引くことにより円筒面の形状誤差が求められた。本測定法は被測定面全面の形状誤差を同時に表示可能であり、従来測定が困難であったトロイド面のねじれや円筒面のテ-パ等の検出が可能になり、また基板の弾性変形により任意光学面を形成する能動光学の表面形状評価手段としての有効性も認められた。
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