本年度は、往復動荷重下でのスクイズフィルムダンパ軸受の動特性を調べるために、以下のことを行った。 1.ダンパ軸が一方向にのみ変位する場合のスクイズフィルムダンパ軸受内の油膜圧力、油膜反力を求める式を導いた。 2.1.で求めた油膜反力の式を用いて、往復動荷重を受けるスクイズフィルムダンパ軸受の動特性を調べるシミュレーションプログラムを開発した。 3.スクイズフィルムダンパ軸受のダンパ軸に往復動荷重を加えられる実験装置を用意して実験を行い、往復動荷重に対するダンパ軸変位や油膜圧力などを計測した。 4.該シミュレーションプログラムによる計算結果と実験結果との比較考察を行った。その結果、両者は定性的にほぼ一致しており、また、油膜圧力値に関しては定量的にも一致することが分かった。しかし、スクイズフィルムダンパ軸受内油膜厚さ変位量に関しては定量的な一致が見られなかった。この理由としては、用いた実験装置では、ダンパ軸のダンパ軸受に対する相対速度が小さいときに、理論計算で得られる値ほどの油膜反力が得られていないため、理論値よりも油膜厚さの変位量が大きくなってしまうのでないかということが考えられる。
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