研究課題/領域番号 |
05452144
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
沖野 教郎 京都大学, 工学部, 教授 (30001093)
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研究分担者 |
松本 豊 京都大学, 工学部, 助手 (40239124)
渡部 広一 京都大学, 工学部, 助手 (90201251)
山本 裕 京都大学, 工学部, 助教授 (70115963)
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キーワード | CAD / 自己組織化 / ボトムアップ |
研究概要 |
本研究は部品モデルの集合に設計仕様を投入し、対応部品モデルの自己組織化によってボトムアップに行う設計法の実現可能性を探るとともにそのCADの開発を試みることを目的としている。 本年度はまずこの研究を進めるためのテストベンチとしてのボトムアップ設計用マルチタスク並列処理システムの構築を行った。本研究費で購入したSUN Sparc LXを主機とするワークステーションネットワーク環境上で動作するソフトウェアを作成した。このシステムは次の二つの環境からなる。 (1)部品モデルをモデロンと呼び、その集合を定義するための定義環境。設計者がこの環境でモデルを構成する部品モデロンを記述する。 (2)定義されたモデロン集合を自己組織化させるための実行環境。ここで各モデロンは互いにメッセージを交換し、他と協調しながら自律的に自己を設計する。 このシステムの実行は次の三種類のタスクにより行われる。 a)システムドライバー:キーボード/マウスから指示を受け取り、システム全体の実行を制御する。 b)モニタータスク:メッセージをモニターし、ログファイルに書き込む。要求があれば画面にも書き出す。 c)モデロンタスク:モデロンのインスタンスを作成する。これは階層構造をもったモデル単位にライブラリに登録する。 各モデロンは、要求とそれに対する返答をメッセージ形式で受け渡しする。メッセージは放送形式で各モデロンに送信される。受信したメッセージをアクセプトするかどうかは受信側のモデロンが自律的に判断する。通信の作業はモデロンドライバーによって行われる。 このテストベンチにより簡単な具体例をテストしてみた・分かりやすい計画問題の一つとしてAGVのスケジューリング問題を取りあげ、AGV、機械、製品の各モデロンが自己組織化によってスケジュールを行うことを確認することができた。次年度の軸、軸受、歯車、フレームなど機械要素による自己組織化ボトムアップCADの要素プログラム作成についても一部スタートしている。
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