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1993 年度 実績報告書

弾性流体潤滑理論の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 05452146
研究機関九州工業大学

研究代表者

兼田 〓宏  九州工業大学, 工学部, 教授 (90039123)

研究分担者 西川 宏志  九州工業大学, 工学部, 助手 (40208161)
松田 健次  九州工業大学, 工学部, 助教授 (40229480)
キーワードトライボロジー / 転がり接触 / 弾性流体潤滑 / 表面あらさ / トラクション / 非ニュートン流体 / すべり率
研究概要

現EHL理論の実験的見直しをするため、二色光干渉実験装置を用いて、軸受鋼球および円板(硬質ガラスおよびサファイヤ)で構成される点接触転がり/すべり運動弾性流体潤滑(EHL)油膜の直接観測とトラクション計測を実施し、現EHL理論で説明不可能な現象を把握し検討を加えた。
1.EHL膜の崩壊回復に及ぼす表面あらさの影響
人工凹凸付与鋼球を用いて、表面あらさによる油膜の崩壊回復過程を観察し、表面あらさによるEHL油膜の崩壊回復は、あらさに起因する側方漏れとEHL域の流動を支配するせん断流れによって規定されることを明らかにした。つまり、EHL油膜の崩壊回復は、すべり率の正負並びにその大きさ、凹凸の深さ・波長によって影響される。しかし、接触物体の弾性係数は顕著な影響をもたらさないことが判明した。
2.特異EHL膜(ディンプル)発生限界の把握とその出現機構
平滑面同士の接触下で現EHL理論で予測できないディンプルの発生条件を広範囲に探索し、ディンプルは、相手物体に比較して弾性係数が小さくかつ接触点での曲率半径が大きい物体の速度が速い場合に出現しやすいこと、その出現は、両接触物体の表面速度差並びにすべり率および潤滑油の固化特性に依存することを明らかにした。また、すべり率が負の場合には、その出現・消滅を支配する滑り速度に履歴が存在すること、油膜分布から逆算された接触表面の3次元弾性変形分布ならび油膜圧力分布から、ディンプル域での潤滑油は固化状態にあることが推定された。これらの新知見はディンプルは弾塑性固体である可能性が高いことを示すものといえる。なお、ディンプルの出現はトラクションの低下をもたらすことが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 兼田 〓宏: "Local Reduction in Thickness of Point Contact EHL Films Caused by a Transversely Oriented Moving Groove and Its Recovery" Journal of Tribology,Transactions of the ASME. 116(掲載決定). (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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