研究概要 |
プラズマを利用して薄膜物質を活性化し,基板上で化学反応を促進させて薄膜作成するプロセスにおいて,膜厚の均一化や膜質の向上,あるいは生産効率を改善させるためには(1)ガスノズルから成膜チャンバー内へ噴出する希薄ガス流の解析,(2)プラズマ電離場中での粒子の飛行と電離プロセスの解析,(3)基板表面での化学反応を含む膜形成機構の解明,などの事項を順次遂行していく必要がある。そこで,本年度においては,まず(1)及び(2)について研究を進めた。(1)においては,モンテカルロ法に基づく数値シミュレーションを中心に解析を行ってノズルの設計と配置,流動抵抗および流れの制御について知見をえた。また,実験的にもLIF法による可視化と物理量の計測を行って数値シミュレーションでは不明な領域を明らかにした。また,飛行時間法による速度分布や流束分布も計測して,膜厚均一化と膜質改善化のためのガス流動の最適化にも言及した。来年度も継続する予定でいる。(2)についてはプラズマの計測法について新たな提案を行い,比較的簡便に精度高いプラズマ診断が可能であることを実験的に明らかにした。また,プラズマ中の荷電粒子の飛行を分子動力学法により解析し,電離プロセスへ結びつける努力をした。
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