研究課題/領域番号 |
05452152
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤松 映明 京都大学, 工学部, 教授 (40025896)
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研究分担者 |
城山 友広 京都大学, 工学部, 助手 (30263106)
高比良 裕之 京都大学, 工学部, 講師 (80206870)
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キーワード | 磁気浮上 / 遠心血液ポンプ / 溶血特性 / ポンプ特性 / 白色血栓 / スターリング則 / 動物実験 / インペラ- |
研究概要 |
遠心血液ポンプの欠点を克服した軸シール不要の磁気浮上式のポンプについて、ポンプ効率の向上と溶血特性の改善ならびに生体血液循環系に適したポンプ運転方式の確立を目的としている。本年度において得られた主な成果はつぎの通りである。 (1)羽根形状、デイフユーザの形状の改良を重ねて2種類の形状に集約することができた。一つは16枚羽根で後ろ向き形状、他の一つは6枚羽根で前向き形状であり、両者ともBio Pumpよりは溶血は優れているが、どちらがよいかについては今後の検討が必要である。 (2)インペラ-・デイスクとポンプケーシングの隙間での流れのWashout効果は良好であることを可視化によって確認しているが、動物実験では、隙間のポリカーボネート表面に白色血栓の凝着が生じ易いことがわかり、シリコンのコーティングによってこれを防ぐことができることがわかった。 (3)ポンプの運転において、モーター電流一定の條件での駆動では圧一流量特性がスターリング則に近いことがわかり、今後、この方式による運転を試みていく。 (4)血液回路中に設けたオリフィスの形状が上流に向かう側あるいは下流に向う側にそれぞれ鋭い角ないしは丸味を有する場合について溶血試験を行った。その結果、上流に向う側に鋭い角のある場合の溶血が多く、乱流の数値解析と比較した結果、この鋭い角から発生する剪断層が溶血の主因であることがわかった。 以上のことから本ポンプは長期使用の次世代人工心臓としての可能性を有していることがわかった。
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