研究課題/領域番号 |
05452158
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
大竹 一友 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80016427)
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研究分担者 |
井田 民男 熊野工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (70193422)
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (80218065)
吉川 典彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60135423)
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キーワード | 乱流拡散火炎 / 乱流拡散 / 燃焼排出物 / ガス燃焼 / 乱れスケール / 微視的混合 / 階層構造 / レイリ散乱 |
研究概要 |
本研究は、乱流拡散火炎の燃焼特性に決定的な影響を与えているにもかかわらず、計測技術の点でこれまで取り上げなかった乱れの局所的な微細構造が示す時系列的変化を熱流体反応工学の立場から定量的かつ具体的に把握・解明し、乱流拡散火炎構造の本質を実験的に解明することを目的としている。 そこで、本年度は、申請者らがこれまで実施してきた非接触温度測定法であるレーザレイリ散乱法をさらに発展させ、2次元レーザ光シートを光源とする2次元温度分布を高速VTRを用い時系列画像として得た。測定領域は、火炎の全体像から0.22×0.44mm^2の微小領域までにわたり、得られた時系列画像は画像処理して2次元時系列クラスタ解析を行った。さらに、乱流拡散火炎の燃焼特性に重要となる燃料流への空気の巻き込み挙動を可視化し、その巻き込み挙動と火炎領域の運動とを相関させた。空気の巻き込みを可視化する方法は、周囲空気流にLDV粒子を同伴させ、光源である2次元レーザ光シートへ粒子が通過する際に散乱するミー散乱光を用いた。この粒子の運動を時系列的に追い、粒子の主流方向速度および半径方向速度の2成分に分解した。一方、火炎領域は火炎発光が識別できる輝度を画像処理により判定し、その値をしきい値として2値化処理することによりその位置を定めた。火炎領域の運動は、振動、並進および回転の3つの要素に分離し、それぞれ粒子の主流方向および半径方向速度成分と相関を取った。結果として、微小領域のクラスタ時系列クラスタ解析より、本実験条件のような微小領域においても高温のガス塊が存在し、微視的な火炎構造の存在が明らかとなった。空気の取り込みと火炎領域の運動の相関より、火炎領域の振動運動が減衰する際に空気が取り込まれること、火炎領域がバーナ中心方向へ速く移動するほど空気はバーナ中心方向へ取り込まれること、火炎領域が右回りに速く回転するほど空気はバーナ中心方向へ取り込まれることならびに回転方向に関係なく火炎の回転角速度が増加すると空気の主流速度は増加することなどが明らかになった。
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