研究課題/領域番号 |
05452159
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池上 詢 京都大学, 工学部, 教授 (70025914)
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研究分担者 |
山根 浩二 京都大学, 工学部, 助手 (10210501)
塩路 昌宏 京都大学, 工学部, 助教授 (80135524)
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キーワード | 不均一燃焼 / 窒素酸化物 / 噴流火炎 / 乱流混合 / バロクリニック効果 / レーザーシート法 / 粒子画像流速測定 |
研究概要 |
本研究では、実際上からも重要な高乱流不均一燃焼とその状況のもとで局所的に発生する汚染物質の生成過程を実験的ならびに理論的に解明し、それらを抑制する有効な手段を見出すことを目的とする。 本年度は主に実用燃焼過程の記述に必要なデータの収集・解析および現象解明を進めることを目指し、次の事項を実施した。 (1)不均一性と乱流による微視混合をモデル化することを目的とし、高温での動粘度の低下に伴う乱れの変化(層流化)および密度勾配と圧力勾配の干渉による渦度の生成(バロクロニック効果)について、エチレン噴流火炎中に発生する乱れ渦をレーザーシート可視化画像により観察するとともに、一次元渦度輸送方程式を用いて理論面から検討した。 (2)乱流燃焼過程を解明するための基本として、レーザーシート法により捉えた可視化画像に基づいて噴流および噴流火炎内のガス流動および乱れを解析した。まず窒素噴流について、瞬時流速分布および乱れ特性量を相互相関PIV(粒子画像流速測定法)によって求めるとともに、乱れ渦の生成および挙動を詳細に検討し、渦の非一様性、速度勾配と乱れ渦との関係、乱れの三次元構造などを明らかにした。さらに、測定精度および誤差要因について検討し、この方法が乱流燃焼の解析に適していることを示すとともに、噴流火炎の乱れ測定への適用を試みた。 (3)燃焼器から排出される窒素酸化物の低減を目指して、過濃および過薄燃焼ガスの混合の作用を化学動力学の方法で基礎的に検討した。計算はメタン-空気予混合気の過濃燃焼ガスを空気で希釈する場合を対象とし、2段燃焼時の混合気の条件によって大幅なNO_X低減が得られる可能性があることと、その際の主要反応経路を明らかにし、それに基づいて実用燃焼装置におけるNO_X低減機構の解釈を示した。
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