| 研究概要 |
層流平板境界層内に,平板の一部を多孔質板とし,その多孔質板より燃料(メタン・窒素混合気)を一様に吹き出すことにより形成される拡散火炎を対象に,その安定性に及ぼす多孔質板の触媒性の影響および燃料希釈の影響について検討を加えた.
実験研究
昨年度の研究より,多孔質板として触媒性を有する板を用いた場合も有しない板を用いた場合も,安定性には,壁面温度が重要な役割を演じていることが示された.そこで本年度は,壁面温度を加熱または冷却し,それぞれの場合についてメタン濃度を減少させることにより安定限界を測定した.その結果,壁面を加熱(冷却)すると安定限界時のメタン濃度は低下(増加)し安定性が向上(低下)した.このことは,安定限界に対して壁面への熱損失が支配的な役割を演じていることを示している.触媒性多孔質板を用いると安定性が向上するが,これは,火炎基部近傍の触媒表面での燃料と酸素の反応により多孔質板温度が上昇し,その結果火災基部からの熱損失が減少したためと考えられる.
数値研究
火炎モデルとして,火炎面モデル,一段反応モデル,二段簡略反応モデルを用いて計算を行なった.その結果,火炎位置,火炎温度などについて二段簡略反応モデルの場合に最も実験結果に近い結果を得ることができた.
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