研究課題/領域番号 |
05452184
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
荒井 滋久 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30151137)
|
研究分担者 |
浅田 雅洋 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30167887)
小森 和弘 東京工業大学, 工学部, 助手 (20202070)
|
キーワード | 半導体光増幅器 / 低次元量子井戸 / 量子細線 / 歪量子井戸 / GaInAsP / InP量子細線 / 雑音 / 雑音指数 / 自然放出光間ビート雑音 |
研究概要 |
本研究は、優れた光利得特性を有することが理論的に期待される圧縮歪量子細線構造を活性層とする半導体レーザを作製し、その光利得特性ならびにキャリア注入機構を理論・実験両面から明らかにすることにより、半導体レーザの本質的性能を飛躍的に高め、その究極に迫るための学問的基盤を確立することを目的とするものである。 本研究では、GaInAs(P)/InP圧縮歪量子細線の形成法として、(1)有機金属気相成長法による多重圧縮歪量子井戸構造形成、(2)電子線直接描画による極微構造露光、(3)高真空ECRプラズマ反応性イオンエッチングによる極微構造形成、(4)有機金属気相成長法による埋め込み再成長プロセスを用い、以下の3本の課題を柱としている。 まず、圧縮歪量子細線・箱の高密度形成に関しては、高真空ECRプラズマ反応性イオンエッチング装置を用い、イオン引き出し電圧50Vの条件で、周期70nmの6層多層量子細線・箱構造の作製及びその埋め込みを行った。この素子から77Kにおいて、PL発光を観測した。この結果から、ドライエッチングにより作製された量子細線・箱構造の均一性、高密度性を確認した。 圧縮歪量子細線・箱の光利得特性に関しては、EB露光及びウエットケミカルエッチングにより量子細線・量子箱を作製し、PL測定によりサイズ依存性、歪依存性を調べた。特に圧縮歪量箱において顕著な量子効果が確認され、レーザ導入に対する有効性を示した。 量子細線中のキャリア捕獲機構に関しては、周期50nmの歪量子細線レーザを試作し、ホール捕獲時間の測定を行い、量子薄膜レーザの捕獲時間と同程度の値を得たことにより、量子細線においてもキャリア注入に問題がないことが明らかになった。
|