研究課題/領域番号 |
05452187
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河野 明廣 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40093025)
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研究分担者 |
岸本 茂 名古屋大学, 工学部, 教務職員 (10186215)
堀 勝 名古屋大学, 工学部, 講師 (80242824)
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キーワード | SF_6 / 負イオン / RFプラズマ / マススペクトル |
研究概要 |
四重極質量分析計を用い、RFプラズマのアフタ-グロー中の負イオン種を時間分解計測する測定系を実現した。低圧(〜100mTorr)、低電力(〜10mW)RF・SF_6プラズマに対する測定を行い、プラズマ中にF^-、SF_5^-、SF_6^-、SF_3^-、F_2^-を検出した。さらに質量数123に比較的強い信号を検出したが、これは、プラズマチャンバ壁からエッチングされたSiに由来するSiF_5^-と推察される。イオン電流はF^-が最も大きく、次にSF_5^-が大きかった。しかし測定に用いたマスフィルタ・二次電子増倍管間のイオン加速電圧(500V)では、負イオンによる二次電子放出効率が1よりずっと小さいことが示され、従って、異なるイオン種の検出効率が大きく異なる可能性がある。プラズマ中の主要な負イオン種を特定するためには、イオン加速電圧を二次電子放出効率が1を越えるまで増加させる、二次電子放出効率を測定する、等が必要であるが、何れも直ちには実行できない。各負イオン電流は、放電オフ直後の急激な減衰と、その後の指数関数的なより緩やかな減衰で特徴付けられる時間変化を示した。これはプローブによる正イオン飽和電流の減衰波形(再結合による消滅から予想される減衰波形を示す)と全く異なっており、プラズマからの負イオンのサンプリングが複雑な過程であることを示唆している。負イオン電流の減衰波形はサンプリングチップの材質、サンプリングチップへのバイアス電圧のかけ方にも敏感であり、負イオンが金属表面で直ちに中性化せず、一時的に表面をチャージアップする可能性があると考えられる。負イオンと固体表面の相互作用はほとんど知られておらず、今後の研究課題である。
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