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1993 年度 実績報告書

単一電子トンネリング現象を利用した機能素子とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05452188
研究機関大阪大学

研究代表者

谷口 研二  大阪大学, 工学部, 助教授 (20192180)

研究分担者 森 伸也  大阪大学, 工学部, 助手 (70239614)
森藤 正人  大阪大学, 工学部, 助手 (00230144)
浜口 智尋  大阪大学, 工学部, 教授 (40029004)
キーワード回路シミュレーション / 単一電子トンネル素子 / 疑似CMOSロジック回路 / NAND回路 / トンネル・キャパシタ
研究概要

(1)単一電子回路シミュレータの開発
電子のトンネル現象が確率過程であることを考慮してモンテカルロ法に基づく単一電子回路シミュレータを開発した。具体的には電子がトンネルすることによって電子回路系全体のエネルギーが変化する量をキルヒホッフの法則と鳳・テブナンの法則に基づいて計算し、この結果から電子のトンネル頻度を求める。単一電子回路シミュレーションの中ではこのトンネル頻度を基に乱数を発生させて個々のトンネル接合におけるトンネル時間も見積もる。そしてトンネル現象が生じる度毎に回路中のノードの電位を変化させて回路全体の電子配置と各ノードの電位が時間とともに変化する様子を調べる。
(2)単一電子ロジック回路に課せられる条件の検討
上記のシミュレータを用いて疑似CMOSロジック回路をモチーフに動作温度や構造寸法の揺らぎに対する動作マージンの考察を行った。動作温度に関しては、トンネル・キャパシタの充電エネルギーの1/40の熱エネルギー程度まで下げる必要があることが判明した。素子構造寸法の揺らぎについても、最適設計値から15%程度以上ばらつくと誤動作を招くことが分かった。
(3)新しい単一電子回路の提案
論理回路で必要なNAND回路とNOR回路を単一電子トンネル素子で実現できることを示した。また、この回路は増幅率が1以上であり、複数段論理回路を接続しても出力電圧の低下は起こらないことをシミュレーションにより証明した。
(4)単一電子トンネル素子の製作技術
電子ビーム描画装置を使ってGaAs/AlGaAsへテロ構造ウエハ上に単一電子トンネリング素子を作製するためのリソグラフィー実験を行った。具体的にはPMMAレジストを塗布し、その上に0.1μmのパターンを自由に描画するための最適条件を詰め、さらにスピン・オン・グラス(SOG)を用いてAl、Auなどの金属薄膜をリフトオフするプロセス技術の確立を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] "単一電子論理回路のシミュレーション" 電子情報通信学会論文誌. J77. (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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